スノービィー署長の取り調べ術【人情・雪崩泣き落とし】(1)

まったく取り調べに応じようとしないハニー弁護士を見ていて、ボクは腹が立ってきた。
ボクが、バン!と机を叩いて怒鳴ろうかと思った瞬間、隣のスノービィー署長が、やさしく口を開いた。
「なぁ、ハニーさん。あなたは弁護士という立派な仕事をさなっている人だ。私はあなたに敬意を持っている」
「…」
「あなたの母上も、そういうあなたを誇りに思っているはずだ」
おお、人情泣き落としの王道アイテム単語、『おかあさん』だ。
ん~、でも、こんなベタな説得が、心のひねくれたハニー弁護士に通じるのか…、んんん?
ハニー弁護士の目に、大粒の涙が!
スノービィー署長の【伝説・人情泣き落とし取り調べ術】が、効いた?
署長は、ここぞとばかりに、たたみかける。
「…そうだ。ハニーさん、腹は減っていないか? 留置場の食事は不味いから気持ちも沈むだろう。どうだい、今から出前をとるから、親子丼でもいっしょに食べないか? 話はそれから、ゆっくりでいいんだ」
「スノービィー署長…。うっうっうっ…、愛に飢えている私に、なんと暖かいお言葉。心に沁みます…うううぅ~うっ」
<--前 | Home | 一覧 | 次--> |