アイリーン・アドラーの置き手紙(2)
でも、言っておかないと…。
私、【超エリート養成コース】の総合評価は次席のあなたより180点も良かったし、それは私が実力でとった成績だったんだけど、実は授業や実技の出席日数が足りなかったの。
パリの社交界でのおつきあいと、同時期にニューヨークで私のオペラ公演があったから、どうしても授業に出る時間がとれなかったのね。
そう、私は成績は抜群だったんだけど、出席日数不足と実技訓練単位不足で、本当は卒業できなかったよ。
それで、講師の皆様に(もちろん女性の講師の方々にも)、丁寧にお願いして卒業させていただけたの。
あ、不正じゃないのよ。
どこかの国で、一時期だけど流行った言葉があるでしょう。
そう…。
そ、ん、た、く。
でも、出席日数なんて能力と関係ないし、実技項目(射撃、格闘技、語学、暗号、特殊車両や飛行体の操縦、コンピュータ技能、武器・爆薬の製造などなど)も…あなたも知ってるように、実技担当講師の方々より私のほうが数段上手で腕が立つんだから、実技訓練に出る必要なんてなかったし…。
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