タマ吉警部、無期限の謹慎処分に(2)
初心に帰るため、『孫子の兵法』をじっくり読み返している。
蟄居(ちっきょ)だから、外に出られない。謹慎だから、電灯や暖房をつけることも遠慮している。電話もメールもSNSも全部やっていない。外部とは没交渉さ。
まあ…ヘマをしたボクとしては、あたりまえの自省行為なんだけどね…。
無期限という処分だから、これがいつまで続くのかは、ボクにもわからない。
数日中に、『猫たま警察最高査問会議』が開かれ、ボクの正式な処分が決定するということなんだ。
どうして、あのとき、スノーウィーの罠をに見抜けなかったのだろう。痛恨の極みだ。
やはり、なにかボクに甘いところ、いい気になっているところがあって、それが油断になったのだろう。指揮官も刑事も失格だ!
そういえば…、あとで小屋からトロップも救出されたと聞いたが、ボクは会っていない。
彼は爆発のすぐ近くに監禁されていたから、かなり損傷しているらしい。
このあたりの情報は、腹心の部下がこっそり情報を書いた紙飛行機を庭に投げ入れてくれているんだ。
(…没交渉じゃないの?)
30億円…いや大事な部下なのに…。トロップにも申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
しかし、30億円のスーパ巡査ロボ・トロップの裏をかくとは、スノーウィーは思ったより手ごわいようだ…。

さて、今日はもう数ページ孫子を再読したら、そのあとは座禅を8時間だ。
蟄居(ちっきょ) |
江戸時代、武士に科した刑罰の一。自宅や一定の場所に閉じ込めて謹慎させたもの。終身のものは永蟄居という。 (『デジタル大辞典:小学館』より) |
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