『合意形成』を知らずして叱責される

「キミは【合意形成】という概念を知っているかな」

「う~ん、聞いたこともありません」

「えぇ!聞いたことないの?」

「はい…」

「驚いたな…。話が進まなくなっちゃった…。今からカッコいいこと言おうと思ったのに…」

 

そこで先生は、目を閉じ腕を組んで考え込むようにして、ピクリとも動かなくなってしまった。

囲炉裏で、パチパチと薪が燃える音だけがしてるぞ…。

先生は、気を悪くして眠っちゃったのかなぁ?

 

グーグーグー…。

ありゃ、本当に寝ちゃったぞ。え、ほんとかよぉ…。先生!起きて。

このままほっとかれても、ボクも困るし…。

 

と、そのとき、パリストテレス先生の目がクワッと見開かれ、

「うむ!!」

と、先生のするどく凄まじい気合いが小屋中に響き渡った。

 

「うぁっ!」

ボクは、その気合いで、2mほど後方に吹っ飛ばされて、板壁に体を打ちつけてしまった。

「いてててぇ…」

 

 

先生はすっくと立ちあがり、

「よかろう。タマ吉くん、キミはキミのやりたいようにやればよい!

『名馬はことごとく悍馬(かんば)より生じる』とも言うし、『角を矯めて牛を殺す』というのもある」

と、転がっているボクに向かって、静かに言われた。

 

「そもそもキミは猫だし、馬や牛や人間の名(迷)言などなんの役にもたたんじゃろう。わっははっはは」

「先生…先生、大丈夫ですか? 『合意形成』について知ってる、と答えれば良かったんですか? 先生…?」

 

 

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2018年02月18日