<天才(白)ハッカーへの憧れ>
ドラマや映画に出てくるような、
『シャカシャカとキーボードを叩き、一瞬にして正確なコードを書き、敵のコンピューターをコントロールしてしまう』
なんて異常な能力を持つ人は現実には(たぶん)いない。
プログラムなんて、慎重に書いても、バグだらけである。
『任天堂アイスホッケー』や『ファミコン版オホーツクに消ゆ』で組んだ超秀逸プログラマーの中島さんが、ある後輩プログラマーのことを、ため息混じりに、こう言っていた。
「彼はすごい勢いで、プログラムを書く。でもほとんど無茶苦茶だけど」
私なりに勝手に、彼の意を訳すと、
「コードを丁寧に書きなさい。立ち止まることも必要。頑張れ!」
である。(笑)
私が開発者になりたての頃は、記憶装置が音楽テープで、デバッガーもエミュレータもなかった。
プログラムが暴走してパソコンがリセットされるたび、アセンブラも開発中の保存したプログラムも、その都度その都度その都度、音楽テープから読み込んだ。
開発者に必要なものは、まず『忍耐』だと知ることになった。
とはいえ…自分が書いたコードがバグで暴走するのだから、怒ったってしかたないのだし。
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