尿路結石 [3]

尿路結石(3)

腎臓内に結石ができると、そもそも結石ができる原因があるわけだから、そのときはすでに連続的に結石ができやすい体内状況になっており、その状態がしばらくは続くらしい。

だから、救急搬送されたところの医師が、
「検査を受けるように」
とアドバイスしてくれたのである。

できた結石は、尿路に引っかかって痛みという症状が出る場合もあれば、尿路をすり抜けて小水とともに体外に出てしまうこともある。
だから、症状(痛み)が出なくなったから大丈夫だとはいえない。
そのときすでに次の結石が製造中、あるいは出荷中かもしれないのである。

翌日もまったく痛みがなかった。
検査などサボろうかとイケない考えをしていた罰なのか、二日後深夜、私は再び畳の上で、のたうち回っていた。

前回より夜も更けて、午前2時とかである。
私は朝まで我慢することにした。いくら無料でも、多忙な救急車をそうそう呼べない。それに深夜だから現実問題として、隣近所の迷惑である。
それにやっぱ、なんか恥ずかしいし(恥ずかしがることはないが…)

前回と違い、その症状が『尿路結石』によるものだという知識があったので、そのあと自分でもいろいろ調べていた。

すっごく痛いが、いきなり死んでしまう病気ではない…のだ。
だから、朝まで痛みを我慢できれば、妻に車で病院まで送ってもらえるし、欠席の位置がずれて痛みが和らげば、自分ひとりでで電車で病院に行けるかもしれない。

しかし、しばらく我慢したが、私はほどなく、
「救急車~!」
と叫んでいた。

申し訳ないが、救急車を呼ぶしかないのだ。
妻に車で救急外来のある病院に連れて行ってもらってもいいのだが、当時はネットもなく、どこに行っていいかわからない。
そもそも、もし行ったとしても連絡もせずに行って、そこに適当な医師がいるのか、受け入れてもらえるのかなぢ、わからないのである。
病院側としても、救急隊員が応急措置をして情況を把握したうえで患者を受け入れたいだろう。

そういう理屈がともかく、それどころじゃない激痛でなんである
。数日前より、さらに痛かった。

素直に検査に行っていれば、こんなことには…。これはなにかの罰なのか。

救急車が来て、前回より家に近い総合病院に運ばれた。
数日前にも同様の症状が出ていたので『要検査』であるから、そのまま検査入院となった。

泌尿器なので 内科だと思っていたら、私は外科の病棟に入れられた。
病室には、骨折などで入院している人ばかりだった。

強力な痛み止めを打ってもらい、その夜、私はなんとか眠った。

外科病棟である理由は、翌日すぐわかった。
「スポーツドリンクでも何でも、飲めるものを横に置いておいて、飲めるだけ飲んで、お小水を出せるだけ出してください。そうやって尿路に止まっている結石を流し出さないと痛みはとれませんよ」
看護師さんはそう説明してから私をトイレに連れて行き、大きなビーカーにカーゼを被せたものを私に渡した。

「ここにお小水を出してください。結石が出ればガーゼの上に残るので報告してください。あなたが思うより小さいので見逃さないでください」
と私に指示した。
「小さい?見逃す?こんなに痛いのに?」

そう。私もガーゼに残った結石を見たが、狭い尿路を抜けて出てくる結石は、
「これであんなに痛みが出るのか?」
と思うくらい、ほんとうにと小さい粒なのである。

(このお題、つづく)

<--前 Home 一覧 次-->

<スポンサーリンク>

2018年12月08日