世界コンピューター囲碁選手権大会【ソウル大学にて】  [1] (かつてITは、すごく弱かったんだよ!)


世界コンピューター囲碁選手権大会【ソウル大学にて】(1)

【第1回 2001年 The SNU-Garosu.com Cup International Baduk Competition(SG杯)】というコンピュータ対戦の世界囲碁選手権が、2001年3月2~3日にソウルのSNU(Seoul Natinal Universityの略)で行われたことを知る人は少ないのではないか。

この大会にアシスタントとして参加した私だったが、そのことは すっかり忘れてた。
CSで『ヒカルの碁』というアニメを観ていて、私はそのことを思い出したのである。

私は過去も今も、碁のことはわからず、碁には何も縁がなかったのだが、めぐり合わせでその大会の参加し、コンピューター同士が対戦するという現場を経験をさせてもらったのであった。

最近はIT囲碁ソフトの躍進が目覚しい。もはやプロも勝てない様子。
(将棋では、2017年で、プロ棋士がAIに敗北宣言をした)

昔の囲碁ソフトの実力は、どうだったのか?などを、そのときのことを思い出しながら書いておこう。

まず、この大会がどういう者であったかを、引用によって理解していただこう。

以下の記事は、SG杯に参加された清愼一氏が、CGFのMLに流したものの転載の転載である。大会の概要がわかるので、そのまま引用させていただく。

引用部
CGFのみなさま、 清です。
簡単ですが、The SNU-Garosu.com Cup International Baduk Competitionの レポートです。

SNU(Seoul Natinal Universityの略)とGarosu.comというITの会社の 合同主催で、今年から始まったコンピュータ囲碁の大会です。

なお、Badukは韓国語で囲碁のことです。
大会会場はSNU。ソウルのガイドブックに載ってる地図だと、南の街はずれに 位置します。
この大学は日本の東京大学にあたる、韓国一の名門です。 敷地はすごく広く、校舎もきれいでした。

会場は小さめの講堂を使いました。
宿泊はSNUのゲストハウスで無料でした。

スケジュールは、3/2が予選、3/3が決勝です。
ルールは韓国ルール(日本 ルールと同じ)。持ち時間は50分ですが、5分オーバーするごとに、相手に 2目加算されます。

しかし60分をオーバーすると、時間切れ負け。
コミは6.5目。

原則として通信対局。
スケジュールの関係で1プログラムが同時に 2局対局することがありました。

コンピューターは主催者が用意しましたが、参加者による持ち込みも可能です。
大会前のアナウンスでは、Pentium3の500MHzでしたが、実際には700MHzのマシン でした。

予選は参加者を4グループに分けて、それぞれ総当たり戦をし、上位2チームずつが決勝進出。
予選の割り振り時に、過去の実績から6チーム
(Go4++,Goemate,Wulu,Haruka,MFG,Fungo)がシードされ、適当に分散され、 残りチームはくじびきで割り振られました。

なお、他の大会と違って、プログラム名ではなく開発者名で試合をしました。そのため、プログラム名が無いのもありました。

参加は18チーム。
Zhangさんだけは来場せずに、代理人が操作しました。
GMS,SNU1,SNU2は開発チームの名前です。
SNUはソウル国立大学の略。
(中略)

優勝賞金は15,000,000ウオンで、決勝進出者は最低でも100,000ウオンの賞金が 出ました。
優勝したChen先生のプログラムには、韓国から9級の認定状が贈られ ました(日本ではアマチュア2級ぐらいに相当すると思います) 。

(抜粋したが、上記の記事には具体的な参加者やその対戦成績なども書かれている。興味のある方は上記の大会名で検索してください)

私は囲碁に関してはさっぱり無知であったが、この大会の参加者の一人が私の尊敬するT氏であったため、彼の助手として主催者に招待された(交通費宿泊費は主宰者負担)。
この大会には、ソフト開発者プラス、任意の一人が助手として参加できた。

宿舎はソウル大学のゲストハウスで二人部屋。かなり広かった。
3月初旬のソウルはとても寒かったが、部屋はオンドルのおかげでパンツ一枚で寝れるほどの快適さだった。

大会は予選と決勝ラウンドとの2日だったが、その対戦の合間にソウル大学の一室(食堂?)で交流昼食会などがあった。
大きな丸テーブルに白いテーブルクロスがかけられ、1つのテーブルに6人くらいが座ったと記憶している。

私の右隣は大会に参加していた(たぶん囲碁ソフト開発者の一員)ソウル大学の学生だった。
お互い相手の母国語がわからないので、英語で話すことになる。
その学生は英語が上手かったのあろうが私のほうが下手くそであったため、会話は難渋した。
それでも1時間以上の食事と交流の時間があったから、深くはないがいろんな話ができた。

会話の内容はほとんど覚えていないが、私のほうは囲碁がわからないので囲碁の話題はなく、コンピューターの話とか学生生活の話とか私の好きな三国志のこと(韓国でも三国志は人気があるのか?)とか、そんなものであったろう。
ほんとうに楽しかった。

夜は地下鉄で街にも繰り出し、地面がコンクリの土間であるような庶民的な店や野外の屋台で飲食もした。

イチゴが屋台で山ほど積まれて安く売られているのを見て、私は袋いっぱい(3キロくらい?)買って、夜中に宿舎で全部食べた。
オンドルで室内の空気は乾燥しており、イチゴ大好きの私としては、水分補給に役立てたのである。




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2019年02月05日