世の中には、ときに、ほんとうに『善い人』がいる。
自分のことより他人のことを…とまでは言わないが、明らかに自分の損得をさほど考えずに他人のために何かしようとする人がいるのである。
そういう人は、見ていると、我欲がない。
我欲は無い(希少)が、何かの使命感みたいなものはあり、人生については積極的だ。
そうでなければ、ただの無気力人間と同じで、欲うんぬんの話とは関係がない。
わからない人には全然わからないだろうが、漢帝国を興した劉邦を助けた【張良】みたいな人格を思い浮かべると、それに近いような人物である。
もちろん、『部分的に』そういうこと(我欲がなさそうに見える)ができる人は、わりと多い。
人はそれぞれ損得感覚や趣向の違いがるので、ある人にとって価値のないことが、別の人には価値があることだったりする。
「あんなステキな人を振るなんて!」
と、あなたが驚いても、それはあなたの好みであって、その人にはゲテモノだったりするわけだ。
『我欲』というのは、精神分析的には、
『自分の中に欠けている部分を補う何かを必死に求める様子』
とか定義できそうだが、そうなると、我欲の少ない人は何もかもが充実しているのか?
そうでもないだろう。
そんな完璧な人など、いるはずがない。たぶん。
私は、我欲のないが行動的な『善い人』を一人だけ知っている
。
素晴らしい人、ステキな人、優れている人は多く知っているが、私の中での『善い人』は、たった一人、その人だけである。
彼女のために、祈る。
『今日も良い日でありますように』。
私のことはどうでもいい。
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