人間って、10代まで(ぎり25歳くらいまで)に聴いた音楽で、『できている』んじゃなかろうか。
もちろん、大人過ぎてから気に入る曲はたくさんあるだろう。
それをカーステレオで聴いたり、カラオケで歌ったりもするだろう。
ところが、熟年年齢くらいを過ぎると、あるときから10代以前に聴いた音楽と、それ以降聴いた音楽との違いが、心の中で鮮明化する。(でしょ?)
それは音楽のジャンルとかいうものではなく、『いつ聴いた』かという区分である。
半世紀ほど生きていると、『新しい音楽』というものはなくなる。
ファッションも、映画も、小説も、だ。
見た目や耳ざわりは、確かに『新感覚』みたいであるし、過去になかった技術が使われているものもある。
が、
「これは、デジャブ」
なんである。
大人は好奇心を失うのではなく、『なれてしまう』んである。
それが一番、つまらないことなのだが、誰でも齢をとるから、誰でもそうなる。
えっ?
歳をとっても、前衛的な人もいるって?
そういうのは、一部の鬼才を除いて、『痛々しい』だけ。
新しいもの(本当は形式を変えて繰り返されているもの)は、新しい人(若者)に任せるべきである。
だって、彼ら(彼女ら)は、『それが初めて』なんだから、面白くて情熱的になれるんだもん。
我々、ジジイにとって、それは『デフォルメされた骨董品』でしかないのだが…。
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