表参道駅のアパレル (「ここはどこ?」と、方向音痴人間はつぶやく…)

表参道駅のアパレル

これも昔の話。

表参道駅から5分くらいのところにあるアパレルの会社に、何度も打ち合わせで通っていた時期がある。

ある日、5~6回目の打ち合わせ日だった。
数年ぶりとかに訪ねるわけでもなく、ほんの数日前にも行ってる場所である。
駅から近いし迷うはずがない。 普通ならね・・・。

私はそれまで、そのアパレルに自宅から通っていた。
同じホームに降り、同じ出口から地上に出る。出たら左側に進む。道なりに進んでから小路を入ると客先のビルに着く。簡単だ。

が、その日、私は別の用事が先にあったので、同じ路線の地下鉄ではあったがそれまでとは反対方向(下り線)の電車で駅に着いたのであった。

「だから、どうした?」って思うでしょ。
私が、方向に関して普通の人ならね。
が、私は普通ではない!(翻って、自慢?)

私はその日、電車から出て降りたことない反対側のホームに立った。
「ん?」
ホームに立ったときの方向が逆なだけで、もうなんか…よくわからないぞ。

そして、これまで使ったことのない出口から地上に出る。
出たとたん、
「ん?ここはどこ?」
なのである。

私の感覚ではもう今までと、まるで世界の景色が違うのである。

ここは地球?
っていうくらい。(これは、さすがに大げさだが…)

何度も何度も地下から出てきたことのある表参道駅の上の交差点なのであるが、私には見たこともない景色に見えるのだ。

なぜかって?
そんなこと、わかりません!

このときの【私の驚き】をみなさんに何とか伝えたいのだが、みなさんは、
「あなたのほうに驚くねぇ」
というところだろうな…。

私はしばらく交差点に立って辺りをぐるぐる見渡していたが、どっちに行っていいのかさっぱりわからなかった。

当然、愕然としたが、よくある事態でもある。

おそらく私のような方向感覚(世界把握能力?)が妙な人には、この違和感がわかるのではないかと…(期待する)。

私は5分くらい『自分のいる世界の把握』に努力したが、約束時間に遅れそうなので自分で解決することは諦めた。

相手に電話をして迎えに来てもらったのだ。

もちろん、客先の担当者には、ひじょうに怪訝な顔をされてしまったが、事務所についてから正直に私の戸惑いを話すと客先の事務所は笑いに包まれた。

「もう、〇〇さんたらぁ。あいかわらず面白い人ですねぇ」
と。

私が日頃よくふざけるので、
『冗談でやった!』と思ったらしい。(思ってくれたらしい)

この世に、そういう冗談があるの?

(このお題、完)

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2019年01月16日