久々に尿路結石で救急車に乗る [3]

久々に尿路結石で救急車に乗る(3)
じつは救急車の先客がいた。

私が何とか激痛に耐えながら、自力で救急車から降りたとき、そこに1台の救急車がいた。
まだ救急隊員さんが車内の片づけをしており、私の救急車夜少し先…さきほど病院に着いたという感じだった。

私はそのことに気づきはしたが、自分の痛みでそれどころではなかったから、病院の中に入って、床でのたうち回っているときは、それを忘れていた。

しばらくして呼ばれて処置室に入ると、一人の男性がベッドで点滴を受けていた。先ほどの『先客さん』である。
何度も言うが、自分の激痛で周囲のことに注意を向ける余裕はないのだが、それでも彼の様子は『石』であった。

そう、同じ尿路結石である。
ふ~む、奇遇だ。

でも、その時はそれだけである。他人のことは、どうでもいい。
ともかく、まだ痛いのだ。

点滴と座薬の痛み止めを処置してもらい、隣りのベッドの男性といっしょに、(なんとか二人とも自力で歩いて)5Fの病室まで行き、同じ部屋の隣り合わせのベッドで、ふたりは寝かされた。

時刻は、7時ころになっていた。
「9時に診療が始まったら、レントレンとMRIを撮って、それから先生の診断を受けてもらいます。それまでは、ここで休んでいてください。現在の痛み止めで痛みが弱くならないときは看護師を呼んでください」
私たちは、そう言われた。

私は眠っていなかったし、痛みが和らいでもきたので、すぐ眠ってしまい、9時に看護師さんに起こされた。

まずレントゲン撮影に行くと、時間差で救急車で運ばれてきた男性が順番を待っていた。
私は、隣に座った。
二人とも、あの激痛はおさまっていた。

「石(尿路結石)は、初めてですか?」
と、わたしは訊いた。
「ええ」
と、彼は答えた。隣に座っている彼の奥さんが心配そうにしていた。

私の妻は、仕事もあり、5Fの病室で私の痛みが弱くなったのを確認して、さっさと帰宅した。
別に冷血人間とか、夫婦仲に問題があるとかではない。
何度かいっしょに救急車に乗って、私のもがき苦しむ様子を体験しているので、私自身もそうだが、もはや結石の激痛には騙されないし、検査結果が重篤でなければ心配などしないのである。

(この話、つづく)

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2019年10月03日