最初のマイパソコンは PC-6001 <1981年頃>


 

最初のマイパソコンは PC-6001 <1981年頃>


 

1981年に登場した、PC-6001。

【パピコン】という愛称(メーカーがつけた)で、テレビCFをしていた。 価格は、9万円くらいだった。

 

コンピューターを物心ついたときから知っている今の世代には、そのときの【驚き】など見当もつかないだろうが、当時としては、価格の割には画期的ともいえる、9色のカラー表示、ひらがな表示、三重和音のPSG音源、ジョイスティックインターフェース標準搭載などを特徴としていた。

 

言語は、BASIC。

今となっては100円ショップに売ってる製品かと思うほどのロースペックであったが、当時は素晴らしい製品であり、 私はこのコンピュータとの出会いでゲーム開発者になったのだ。

 

(この段階で白状しておくが、私にとってゲーム開発という仕事は『絵・音楽・ストーリー・パズル的論理的プログラミングの総体』という部分では面白くはあったが、全然好きではなかった。それまでのフリーターとは比べようもないほど稼ぎが良かったのでやっていた。はははは…)

 

1979年くらいに、NECから PC-8001シリーズが発売されていたが、まだ高嶺の花だった。

他のメーカーのパソコンも高価だった。

そもそも、パソコン(個人が所有するコンピュータ)が、「普通ではなかった」時代である。

 

その2年後に、このPC-6001シリーズが発売された。

家庭用に簡単で安価なパソコンを! ということだった。

 

私は文科系の人間だし、コンピューターのことは何も知らなかったが、なぜかどうしてもそれが欲しかった。新しい未来の道具という感覚だったのだと思う。

 

窮乏したフリーターだったため、マルイのカードの10回払いで買った。

1週間ほどは、BASICを使い、文字をカラーで表示したり、音を鳴らしたりして遊んでいたが、それ以上は何もできないことに気づいた。 そう、使えないのだ!

 

発売されたばかりだから、このパソコンで動作するソフトがない。

というより、他のどのパソコンであれ、当時はパソコン用ソフトじたいがほとんどない。

そもそも、フロッピーディスクとかハードディスクなども、一般人が買えるレベルでは、どこにもない。

 

仮に自作のプログラムが作れたとして、どこに保存するのか?

音楽テープに録音するのである。

(現代人?には、意味がわかるまい…)

 

OSという感覚もないし、BASICだけでは、まともなことはほとんどできない。

 

(後のことになるが、アセンブラ言語を使って【マシン語】というもので直接コンピューターを制御するプログラムをBASICから呼び出すことにより、少しまともなことができるようになる)

 

自分で何かプログラムするといっても、そもそもコンピュータの原理がわからない。

そもそも、 なぜ画面に文字が出るのだ?

なぜ、画面に色がつくのだ?

なぜ、ゲームなどのキャラクタ絵が表示され動くのか?

 

なぜ、というより、どうやって何を制御するのだ?ということなのだが…。

 

情報(身近で知識のある人、わかりやすい解説本等)が、まったくない。

 

とりあえず、当時コンピュータ関係の月刊誌がふたつあったので、それを買った。

じっくり読んでみたが、どうしても基本的なことがわからない。

まあ、書いてないわけだが、書いてあっても、何がかいてあるのかわからない。

 

その最初のポイントがわからないと、最初の一歩も動けない。まさに暗闇の中である。

 

「コンピュータって、いったい何なんだ?」

 

そして、私のPC-6001は、10日後には押入れに眠った。

そして、小説を書いたり漫画を描いたりする生活に戻った。当時は、ともかく何か作品を作る創作家になりたかった。

 

お金もないのに使えもしないものを買ってしまい、私は落胆し失望し、そのコンピューターを見るのもイヤになったのだ。

 

さて、こんなことで、私はゲーム開発者になれるのか?

なったんだが…。

 

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2018年06月05日