【広島弁94】「往生する」 すごく困る、困り果てる

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
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広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸弁~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座94

【往生(おうじょう)する】 すごく困る、困り果てる

 

今日の担当は、管理人の【れたす】です。

 

往生する】は、【困る】という意味でなければ、多くの地域で使われています。

 

それは、皆様もご存知の通り、『往生』という言葉が仏教用語で、

『現世を去って仏の浄土に生まれること。極楽浄土に往 (い) くこと』→『死ぬこと』

を意味するからです。

 

なぜ、『いく』に『行』でなく『往』の漢字をあてるかというと、浄土教では、

『極楽で悟りを得たら、自分だけの悟りとせず、衆生を救うため再びこの世に還(かえ)ってくる』

という考えがあるので、『往』なんだと思います。

 

私はキリスト教は大学で少しは学んだんですが、仏教は独学なので、間違ってたらゴメンなさい。

(大筋は間違っていないはずですけど)

 

『往生際が悪い』というのは、『諦めが悪い』『潔くない』ということですが、

ん?

じゃぁ、

「さっさと死ね」

みたいな冷血漢の言う言葉ことですかぁ?

 

いや、違いますよね。

「さっさと極楽(あるいは地獄)…つまりあの世に行きなさい!」

と、現世でウロウロしている亡霊に諭しているんでしょうね。たぶん。

それなら『仏教的』。

 

さて、広島弁(備後弁)では、【往生する】=【すっごく困る、閉口する】ということです。

 

先に書いたように、一般的な仏教用語なので、

「これって方言?」

と思ったりしてましたが、福島県出身の妻には、【往生する】=【困る】という感覚はまったくない、ということなので、広島弁に限りませんが、方言だということは間違いないようです。

 

とはいえ、『死ぬ(あの世に往く)』が、『困り果てる』という意味に転化するのは、どういうことなのか?

調べても、なにかこう…よくわかる明確な説明がないんですね。

 

となると、たんに、

『死ぬのは、とんでもないことだ』→『とんでもないことは、イヤだ』→『イヤなことは困る』

ということなんでしょうね。

これも、たぶん、ですけど。

 

『安芸門徒』という言葉があります。

安芸(広島県西部)には浄土真宗の信仰者が多い、ということです。

我が故郷の三原市あたりからも小早川家が瀬戸内の水軍船団を率いて行き、大阪城攻防戦を信長軍と戦いました。

 

備後地方は、浄土真宗の盛んな安芸地方の隣国エリアなので、ほぼ同一文化圏でしょうから、『往生する』という言葉が、よく使われたのでしょう。

これも、たぶん、ですけど。

仏教宗派のエリアを調べるというまでの根気はないので、お許しください。

 

標準語 広島(備後)弁
すごく困る、閉口する 往生(おうじょう)する

 

<会話例1>

標準語
広島備後弁
ああいう強情者が、一人でもいると、ほんとに困っちゃうわ。(女性言葉)
          ↓
あげないちがいなもんが、一人でもおると、ほんま往生するんよ。(女性言葉)

 

<会話例2>

標準語
広島備後弁
参加者が少ないから、困ってるんだよ。
          ↓
参加者が少なぁけぇ、往生しとるんよ。

 


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2019年10月03日