つぶやき<005-09>ローマは一日にしてならず 9


ローマは一日にしてならず 9

『真っ暗な部屋』から出ると、いろんなものが見えるわけだから、私はゲーム開発の基本概念を理解し、ある特定のゲーム機の仕様をほぼ理解し、経験的なティップスも貯めこんで、ある程度自由に楽しくゲーム開発ができるようになった。

とはいえ、もちろん、次にまた『真っ暗な部屋』に放り込まれることになる。
現実問題として、新しいゲーム機が登場するという悲劇が待ち受けているわけだ。

一定の時が過ぎると、慣れ親しんだゲーム機が時代遅れとなり、新しいゲーム機のハードと仕様書と説明書と開発機材が届く。

ハッキリ言う。
新しいハードの仕様書を読んでも、最初はさっぱりわからない。

大げさに言えば、ある部分は何が書いてあるのか、意味さえわからなかったりする。
なんのための図や表なのかもわからない。
腹が立ってくる。

でも、そういう『暗い部屋』に何度も入っている経験があれば、そういう時に落胆する必要はなくなる。

最初はわからないのが普通だ。周りのみんなも、そうだった。
たぶん、そういうときに、新しい仕様を即座に理解できる天才が、ときどきいるんだろうことは否定しないが、滅多ににいない。

そういう人間が一人いれば、その人間に聞けばいいのだが、部分的に理解が速い者がいても、五十ぽ百歩だから、みんなで、また、『暗い部屋』に入るんである。

本当の最初のときと違って、『ゲームの作り方』という基本中の基本は既に分かっている。
経験で、何がわからないかも見当がつくようになっている。
どこをどうすれば、答えが得られそうかもわかっている。

もう相当、ラクチンだ。

(つづく)

 

<--前 Home 一覧 次-->


<スポンサーリンク>


2019年03月09日