【広島弁01】「たう」 手や足(その延長物)が目的のものまで、とどく

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広島弁の女子言葉編
名文広島弁訳 編

広島弁講座01

【たう】 手や足(その延長物)が目的のものまで、とどく

Retasu's House れたすはうす

 

 

 

 

【解説】

東京の銀座にある『ひろしまブランドショップ』の名称も『TAUだね。

 

さて、

「そこの証拠品のラムネの瓶を、こっちに持ってきてくれ」

と、部下に声をかけたんだよね。

 

「はい。ここに置いておきます」

「ん? そこじゃ手がたわん!」

「…(ぽか~ん)」

たわんちゅうとるじゃろ。といい(遠い)けぇ。もっと近くに!」

「…(ぽか~ん)」

 

そう、広島県出身じゃない部下には、ボクの正統な広島弁が通じなかったのさ。

 

たう】は、標準語でいうところの、『(主に手足・その延長物が)とどく(達する)』という意味の言葉。

 

普通は、体の一部(主に手足)が直接とどくことを【たう】というんだけど、手に持った棒(100mの棒でもいい)などの先が川などの向こう岸にとどくような場合も、それも【たう】ということだ。

 

ボールを投げたとき、そのボールの到達点が、A地点であれば、

「Aまで、ボールがとうたとどいた)」

ということになるってことだね。

 

スキー板をはいてて、

「スキーの先が、あの木までたうかとどくか)?」

という言い方もできる。

 

こういう由緒正しい日本語が部下たちに通じないなんてことになると、捜査に多大な悪影響が生じるわけだよ。

 

そこでボクは、『広島弁(とくにボクの出身地である備後地方の方言・備後弁)+ 岡山弁(岡山西部の備中地方)講座』という手作りプリントを作って部下たちに配布することにした。

これでコミュニケーションもスムーズになり、捜査も大いに進展するってわけさ。

 

捜査チーム内で、ボクの指示が明確になるように作成した『広島弁備後弁+岡山備中弁講座』資料だけど、警察内部だけで使用するのは、あまりにもったいないでしょ?

 

そこで、この『広島弁備後弁+岡山備中弁講座』は、このサイトで広く世間に開陳することにしたんだねぇ。

素晴らしい!。

 

これにより、全世界の人が広島弁(特に正統的備後弁)を自由自在に操れるようになる日も近いだろう。

たぶん…。

 

(※ボクは犯罪捜査で忙しいときがあるから、講座の講師は、複数の人に依頼してあるよ~)

標準語 広島(備後)弁
とどく たう
とどかない たわん
とどいた とーた
とどかなかった たわんかった
とどいてくれ とーてくれ
とどきたくない たいとーなぁ
といとーなぁ
とどいたら とーたら
とどくわけない たうわきゃなぁ
たわんわい!

<会話例1>

標準語
広島備後弁
どう、手が届く? とどきそう
          ↓
どう、手がたう? たいそう
あ~、手がとどかない。なんとかとどいてくれ
          ↓
あ~、手がたわんわ。なんとかとーてくれ
それじゃぁ、この棒でやってみたら、とどくんじゃない?
          
ひんじゃ、この棒でやりんさったら、たわんかのう?

<会話例2>

標準語
広島備後弁
犯人はその時、凶器に手が届いたでしょうか?
          ↓
犯人はその時、凶器に手がとーたでしょうか?
最初は届かなかったけど、届いてくれ!と必死で手を伸ばしたら、届いたかもしれないですが、結局は届かなかったんじゃないでしょうか
          ↓
最初はたわんかったけど、とーてくれ!と必死で手を伸ばしたら、とーたかもしれんけど、結局はたわんかったんじゃなーでしょうか

<会話例3>

標準語
広島備後弁
その薙刀(なぎなた)で、離れた相手のスネを直撃だ。そう長い手と長い薙刀なら、なかり離れた敵までとどき、攻撃できるのだ。
          ↓
その薙刀(なぎなた)で、といい(遠い)ところにおる相手のスネを直撃じゃ。そうなんよ。ながぁ手とながぁ薙刀じゃと、えっと離れとる敵までたうけぇ、やっつけられるんよ。

【会話例漫画】


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2020年02月11日