【広島弁40】「わや、わやくそ」 むちゃくちゃ、ぐちゃぐちゃ、台無し

【れたすはうす】の『広島弁(備後弁)』『岡山弁(備中弁)』
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広島弁備後弁の女子言葉編
名文備後弁訳 編


広島弁(安芸~備後弁)~岡山弁(備中弁)講座40

【わや、わやくそ】 むちゃくちゃ、ぐちゃぐちゃ、台無し

 

前回に続き、当サイトの主宰者【れたす】が、担当します。

 

この夏(2018年)、我が故郷・三原市が大水害に見舞われてしまいました。

最初の一報は、故郷のLINE仲間の町の水没画像でした。

 

「え? 沼田川の上流というか中流というか…こんなところで、どうして?」

というのが最初の思いでした。

 

私が子供だった頃、沼田川という川の下流(ほぼ河口)に住んでいて、梅雨や台風のときには増水して、自宅の周辺は全部冠水しました。

 

海に近い埋め立て地(新開地)に家があったので、大潮の時などは海面下の土地だったと思います。

すぐ近くに沼田川の土手があり、そこに上ると、もう数キロ先には海が広がっていました。

 

そのころはトイレが汲み取り式の家も多く、また畑の中には『肥溜め』もあったりして、そういうものが全部流れ出していました。

(汚いけど、そういう時代)

 

でも、時代が時代なので、公私ともに(※公とは行政)特に衛生問題うんぬんという意識もなく、冠水の中を膝上くらいまで浸かって、バシャバシャと歩き回って、川(ほぼ海)から流れてきた魚などを探して喜んでいたものです。

 

数日すると、だいたい水は引いていきました。

残った水たまりには、ウナギがいたりしました。

 

今夏の三原市の(もちろん被害は他の地域にもありますが…)大水害に、今は遠くに住みながらもニュースや地元の友達のLINEでの情報を見て呆然としつつ、そういう子供時代のことを思い出していました。

 

実はこの【わや】の項は、偶然にもその直前に用意していました。

ところが、見たこともないような故郷の大災害を見て、そのときは取り上げるのをやめました。

 

なんという悪い偶然か、この『備後弁講座』の趣向として、おもしろおかしく説明するために私が用意した絵も、れたす鳥の『土砂降り』でした…。

 

とにもかくにも、三原の状況が、まさに【わやくそ】でした。

ほかの言葉…「ひどい」とか「おおごと」とか「むちゃくちゃ」などでは、気持ちの実感が言い表せませんでした。

 

(この場合は、【わや】ではなく【わやくそ】です。英語の、bad、worse,worst の worst です)

 

まだ災害から日は浅いので、この項を取り上げることはどうだろう…なんですが、私の今の心象を残しておくためにも、ここで【わや】の項を追加しました。

 

今年は、まさにこの時期に行われる【やっさ祭り】も、中止です。

(子供のころしか参加したことがないですが…)

そういうことも含めて、故郷は混乱しています。

 

一日も早い復興を、祈ります。

 

標準語 広島(備後)弁
むちゃくちゃ
台無し
わや、わやくそ

 

<会話例1>(ドミノを9割がた並び終えてから、全部倒したとき

標準語
広島備後弁
ああああぁ~、むちゃくちゃだぁ~!
          ↓
あああぁ~、わやや~!

 

<会話例2>(いろいろ気を使って、とりなしたのに無視されたとき)

標準語
広島備後弁
あなた、人の好意をひどく、台無しにするんですね。
          ↓
あんた、人の好意をぼれぇ、わやにするのう。

 

<会話例3>

標準語
広島備後弁
彼は、とんでもない人だ。
          ↓
あんなぁ、わやくそじゃ。

 

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2018年08月13日