【広島弁:簡易文法編02】~するつもりだ(肯定的意志表示<女子編>

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広島弁備後弁の女子言葉編

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~するつもりだ(肯定的意志表示)女子編



備後弁女子言葉で、「~するつもり」というときの言い方は、語尾に『』をつけます。

 

もちろん、「する」でなく、普通にただ「する」とも言いますけど、備後弁らしい言い方は、やはり語尾に『』でしょう。

「うち、行く

「めぐ(壊すわ)」

※「それ、せん(しないわよ)」

 

さて、備後弁らしい表現として、「~んよ」(男女とも使用する表現)というものがあります。

「飲むんよ

「泣くんよ

「読むんよ

 

これらの「~んよ」は、標準語の「~のよ」なわけで、「の」が「ん」に置き換わったものでしょう。

 

備後弁では、男女とも、

「行くんよ(行くつもり、行くことになっている)」

というように、『ん』をつける言い方を多用しますが、これの「ん」と「の」を置き換えて、

「行くよ」

とやってしまうと、女子はおかしくないのですが、男子はオネエになってしまいそうですが…。

 

けれど、標準語でも、男子が、

「そう、結局、オレはそこに行くのよ」

と言ったりしますからね。

基本は、性別に関係ない表現なのでしょう。

 

では、

「する」と「する(するのよ」の違いは?

 

これを考えるとき、

「するん(するの)」は、疑問形(問いかけ)になるしかないということです。

(※標準語としての「するの」は、「するんだよ!」という命令形のような断定形のようなものになるが、備後弁の「するん」には、そういうニュアンスはない。「するん」と発声するなら、「するん」というニュアンスしかない)

 

なぜ、ここでこの『』にこだわっているかと言いますと、このこそが備後弁女子言葉の『かわいらしさのエッセンスのひだと思うからなのです。

 

「するよ」「行くよ」「歌うよ」「食べるよ」のように、『ん)』(あるいは『の』)があると、以下のような意味合いになります。

主語  
一人称

自分の意志表明
「~するつもり」というニュアンス

人称

相手の意志を決定するニュアンス
 → 命令(せよ)、断定的(そうなる

三人称

相手の意志を決定するニュアンス
 → 断定的(そうなる

 

ちょっと、脇道に入ってしまいましたが、女子言葉の「~するつもり」の例を表にしておきます。

 

基本語 ~するつもり
(普通の言い方)
強調形<主に女子>
※男子も使う
する する するよぉ
しゃべる しゃべる しゃべるよぉ
泣く 泣く 泣くよぉ
食べる 食べる 食べよぉ
帰る 帰るよ 帰るよぉ
いぬる いぬ(る) いぬよぉ
おらぶ おらぶ らぶよぉ
寝る 寝る 寝るよぉ
捨てる 捨てる 捨てるよぉ
壊す めぐ めぐよぉ
     
しない せん せんよぉ

注1 「強調形」は、主に女子表現ですが、男子も使います。
注2 今の時代に女子言葉・男子言葉という区分を強調するのは社会的には問題がありますが、言葉の説明としては必要ですので、今後もお許しを。


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2020年02月14日