広島弁備後弁講座【簡易文法編】

【広島弁:簡易文法編01】~するつもりだ(肯定的意志表示<男子編>

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広島弁備後弁の女子言葉編

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~するつもりだ(肯定的意志表示)男子編



備後弁で、「~するつもり」(意志表示)の言い回しは、【動詞語幹部+わ】で、だいたい当てはまります。

 

やる」→「やる」→ (その短縮形で、より意志を強調する表現)「らぁ

という感じです。(下表参照)

 

ただし、これは(ほぼほぼ)【男子言葉】です。

備後弁女子は、「するわ」という言い方はしませんし、「すらぁ」などという乱暴そうな言葉使いもしません。

 

備後弁(広島弁)は、おおよそ、

・男子は、こわそうな、汚い言葉な感じ

・女子は、かわいい感じ

なのです。

※女子言葉の例は、こちら

 

「やる」「する」「しゃべる」などは、語尾の「わ」が「~するつもり」という意志を表す標準語的な女子言葉表現ですが、広島弁では女子はそういう言い方はしません。

女子がそういう言葉使いをすると、『変な芝居じみた標準語をしゃべってる』感じになってしまいます。

 

とはいえ、実は備後弁女子も、言葉としては、「やるわ」「するわ」「しゃべるわ」と、言うには言います。

ただ、そういう言い方を備後弁で女子がすると、女性らしくないです。

男言葉をしゃべっている女子という感じになってしまいます。

 

男子が備後弁で「~するぞ」という意思表示をする場合は、形式は標準語の女子言葉のように、「行くわ」「寝るわ」「食べるわ」「帰るわ」などと言うのです。

「わ」「わぁ」の語尾を強めに発声します。

 

意志をより強調する場合は、「行く」「寝る」「食べる」「帰る」のように、動詞語尾に、ちっちゃい「」がつくような言い方になります。

 

そして、意志をよりいっそう強調するときには、「わ」を使わず、基本的にその動詞の語尾が『a(あ)』で終わる形になります。

「行か」「寝ら」「食べら」「帰ら」となり、語尾をかなり強調して発音します。

 

というか、こういう短縮形でしゃべっているときは、ちょっとご機嫌斜めって感じですね。

プチ怒り、プチいらいら…的な感じです。

 

初めのほうにも書きましたが、この短縮形表現は男子用で、女子はこういう言い方はしません。

では、女子はどういうふうに言うのか?

 

それは次回で。

 

基本語 ~するつもり
(普通の言い方)
短縮形<男子限定>
(強調した言い方
する らぁ
しゃべる しゃべ しゃべらぁ
泣く かぁ
食べる 食べ 食べらぁ
帰る らぁ
いぬる いぬ いぬらぁ →
(さらに短縮)
なぁ
おらぶ おら おらばぁ
寝る らぁ
捨てる 捨て 捨てらぁ
壊す がぁ
     
※しない せん するきゃぁ!

注1 「強調形」は、男子言葉限定です。女子は、こういう言い方はしません。
注2 今の時代に女子言葉・男子言葉という区分を強調するのは社会的には問題がありますが、言葉の説明としては必要ですので、今後もお許しを。


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2020年01月25日

【広島弁:簡易文法編02】~するつもりだ(肯定的意志表示<女子編>

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広島弁備後弁の女子言葉編

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~するつもりだ(肯定的意志表示)女子編



備後弁女子言葉で、「~するつもり」というときの言い方は、語尾に『』をつけます。

 

もちろん、「する」でなく、普通にただ「する」とも言いますけど、備後弁らしい言い方は、やはり語尾に『』でしょう。

「うち、行く

「めぐ(壊すわ)」

※「それ、せん(しないわよ)」

 

さて、備後弁らしい表現として、「~んよ」(男女とも使用する表現)というものがあります。

「飲むんよ

「泣くんよ

「読むんよ

 

これらの「~んよ」は、標準語の「~のよ」なわけで、「の」が「ん」に置き換わったものでしょう。

 

備後弁では、男女とも、

「行くんよ(行くつもり、行くことになっている)」

というように、『ん』をつける言い方を多用しますが、これの「ん」と「の」を置き換えて、

「行くよ」

とやってしまうと、女子はおかしくないのですが、男子はオネエになってしまいそうですが…。

 

けれど、標準語でも、男子が、

「そう、結局、オレはそこに行くのよ」

と言ったりしますからね。

基本は、性別に関係ない表現なのでしょう。

 

では、

「する」と「する(するのよ」の違いは?

 

これを考えるとき、

「するん(するの)」は、疑問形(問いかけ)になるしかないということです。

(※標準語としての「するの」は、「するんだよ!」という命令形のような断定形のようなものになるが、備後弁の「するん」には、そういうニュアンスはない。「するん」と発声するなら、「するん」というニュアンスしかない)

 

なぜ、ここでこの『』にこだわっているかと言いますと、このこそが備後弁女子言葉の『かわいらしさのエッセンスのひだと思うからなのです。

 

「するよ」「行くよ」「歌うよ」「食べるよ」のように、『ん)』(あるいは『の』)があると、以下のような意味合いになります。

主語  
一人称

自分の意志表明
「~するつもり」というニュアンス

人称

相手の意志を決定するニュアンス
 → 命令(せよ)、断定的(そうなる

三人称

相手の意志を決定するニュアンス
 → 断定的(そうなる

 

ちょっと、脇道に入ってしまいましたが、女子言葉の「~するつもり」の例を表にしておきます。

 

基本語 ~するつもり
(普通の言い方)
強調形<主に女子>
※男子も使う
する する するよぉ
しゃべる しゃべる しゃべるよぉ
泣く 泣く 泣くよぉ
食べる 食べる 食べよぉ
帰る 帰るよ 帰るよぉ
いぬる いぬ(る) いぬよぉ
おらぶ おらぶ らぶよぉ
寝る 寝る 寝るよぉ
捨てる 捨てる 捨てるよぉ
壊す めぐ めぐよぉ
     
しない せん せんよぉ

注1 「強調形」は、主に女子表現ですが、男子も使います。
注2 今の時代に女子言葉・男子言葉という区分を強調するのは社会的には問題がありますが、言葉の説明としては必要ですので、今後もお許しを。


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2020年02月14日